お味噌を買う際、包装材に記載されている無添加という文字。
イメージ的には、カラダに優しそうだし栄養満点...。
でもその無添加味噌、
実は栄養価がほとんど期待できない“一般的な安い調合みそ”と変わらない可能性もあるんです。
ここでは、無添加味噌の正しい選び方を紹介。
知っておくべきポイントは5つ。
これらのポイントをしっかりCHECKしておけば、お買い物の際に失敗することはまずありません。
<このページの目次>
失敗しない無添加味噌選び:絶対こだわるべき3つのポイント
POINT1:無添加の定義は曖昧!酒粕(アルコール)・化学調味料等の添加物に注意
味噌の原料は、
『大豆・○○麹(米麹・玄米麹・麦麹など)・食塩・水』
の4つのみ。
なので、
もしその味噌が、本当に無添加味噌であるなら、
原材料名の項目には、水を省略した『大豆・米(米味噌の場合)・食塩』だけが記載されます。
無添加に関する表記の定義は曖昧。
例えば、保存料は使ってないけど着色料は使ってるという場合、保存料無添加ではなく、ただ“無添加”と表記してもギリOK。
このあたりは事業者側の自由に任されているというのが実情なんです。
もちろん、あまりにも何が無添加なのか曖昧すぎる場合は、行政側から指導が入るらしいですが...。
こうした無添加に関する問題は、味噌にも当てはまることが多く、
パケットなどに、堂々と“無添加味噌”とプリントしてあっても、
原材料名の項目を見ると、
酒粕(アルコール)や出汁/アミノ酸等の化学調味料といった添加物が記載されている場合があります。
出汁やアミノ酸等の化学調味料は、単純に味噌の味をごまかすため。
裏を返せば、それだけ味噌の品質が悪いということ。
粗悪な材料を使い、あとは調味料で味を調整してる可能性も否定できません。
また、
化学調味料自体、元々カラダには良くない成分でもありますので、こうした添加物が配合された味噌は避けたほうが無難。
それよりも注意が必要なのが、酒粕(アルコール)が配合されてる場合。
なぜ酒粕を配合する必要があるのかというと、
それは、味噌の発酵を止めるため。
発酵が続く状態にしておくと、
パッケージ等がガスで型崩れを起こしたり、味噌の色・味が変化することがあります。
もちろん、ガス抜き栓/穴などをパッケージに作ればいいんでしょうけど、
それって企業側にとっちゃ単なるコスト。
企業としては、“できるだけ見た目も味も均一に、そして低コストで味噌を売りたい”だけなんです。
もちろん、
消費者側にとって、そういう味噌は安いというメリットがありますが、栄養面ではそれほど期待はできません。
なぜなら、
味噌の栄養の多くは発酵のおかげだからです。
簡単に、味噌ができる仕組みを図にしてみると、
※米または玄米で作る味噌の場合。
ご覧のように、
味噌には“発酵による数え切れない栄養”がギッシリ詰まっているんです。
こうしたせっかくの栄養を、見た目等の理由で台無しにするのは非常に勿体ないですよね。
なので、
いくらパッケージに無添加という文字があったとしても、
それを鵜呑みにせず、必ず原材料名の項目を確認することが大切です。
特に、発酵を止めてしまう酒粕(アルコール)には気をつけましょう。
POINT2:加熱処理されていない非加熱・生の無添加味噌を選ぼう
加熱処理は、前項でお話しした酒粕(アルコール)同様、
味噌の大事な栄養分である酵素や酵母を殺菌し、発酵を止めるために行われます。
理由はやはり、企業側の都合で、発酵によるパッケージの膨張や破損、味噌の味・色の変化を防ぐため。
気をつけなければいけなのが、
加熱処理されていても、パッケージにはそれに関する記載はまずないということ。
それもそのはず。
わざわざパッケージに、“この味噌は加熱処理しているので酵素等の栄養は期待できません”なんて説明したい企業はいませんよね。
そのため、
原材料名に記載される酒粕と違い、
加熱処理されていても、例えば米みそだったら、原材料名の記載は『大豆・米・塩』のみ。
そうすると、購入者側からすれば、“おっ、栄養たっぷりの無添加味噌じゃん!”となってしまいます。
確かにその味噌は、偽りのない無添加味噌ではありますが、
実は加熱処理のせいで栄養はそれほど...という場合があります。
なので、
そういった失敗を避けるためにも、パッケージの無添加の文字だけにとらわれず、
その味噌は加熱?それとも非加熱?なのかにも注意を払うことが大切です。
基本的に、
品質の良い無添加味噌を販売するメーカーであれば、
必ずパッケージ等の包装材に、生や非加熱、加熱処理はしておりません等の文言を記載していますので、
そういったキーワードを参考に味噌選びをするのがベスト。
もし、パッケージの表現が曖昧な場合は、無理してリスクを冒さずお買い物は止めたほうがいいです。
生の味噌には、熱に弱い乳酸菌や酵母などが生きています。
これらは、腸内環境の改善に非常に効果的な栄養素。
どれくらいで死滅するかというと、乳酸菌は50度以上、酵母は70度ぐらいが目安。
ここで誤解してほしくないのは、これらの栄養素が死滅しても、味噌の栄養全てがゼロにはならないということ。
あくまで、乳酸菌や酵母などの効果・効能も感じたいのであれば、できるだけ熱を加えないほうがベターということであって、
大豆等の素材の栄養、発酵により生まれる新しい栄養成分などは、加熱したからといって台無しになるわけではありません。
あまり神経質にならず、その時々の目的によって、味噌の調理法を変えてみるのが良策だと思います。
POINT3:無添加でも粗悪な原料はNG!避けたい遺伝子組み換え大豆
味噌を作る上で一番欠かせない“大豆”。
ただ、もともと国内での大豆生産量は少ないため、海外からの輸入に頼る傾向がありました。
海外産の原料というと、ちょっとネガティブなイメージがありますが、
しっかり生産管理された良質な大豆はたくさんあります。
問題なのは、
近年、効率化の影響から、遺伝子組み換え大豆が広く流通するようになっていること。
この遺伝子組み換え技術は、現在も専門家たちの間では賛否両論が繰り広げられており、
人体にとって100%安全とは言い切れないんです。
ちなみに現在、
日本国内では、遺伝子組み換え大豆の商用生産は認められていません。
もちろん、
企業側にすればコストはかからない、消費者側にすれば安く買えるといったWinWinの関係は成立しています。
ただ、
カラダにどんな影響があるか分からないモノを、ただ価格が安いという理由だけで口にするのは非常に危険です。
しかも、安いといっても、遺伝子組み換え大豆を使った味噌とそうでない味噌の差は、数百円手程度。
であれば、
その程度の価格差のために、わざわざ健康へのリスクを冒すのは良策とは言えません。
せっかく“栄養豊富な無添加味噌”を食べるんですから、
その栄養の元になっている原料にもこだわったほうが、安心してよりおいしく食べれると思います。
遺伝子組み換え大豆であるかどうかの見分け方は簡単で、
表記義務として原材料名に必ず記載されており、
大豆と組み合わせる米・玄米・大麦等に関しても同様です。
失敗しない無添加味噌選び:<番外編>2つのポイント
POINT1:減塩対策にも効果的!使用されてる塩にも注目
塩は、味噌を作る上で欠かせない材料で、その主な役割は『天然の防腐剤・発酵の促進』。
ほとんどの味噌には、通常食塩が使用されていますが、
塩分対策や味噌の品質にもこだわりたいのであれば、天然塩、特に自然海塩を使用した味噌のほうがオススメです。
というのは、
自然海塩には、もし塩分を多く摂りすぎても、余計な塩分を体内に排出してくれるミネラルが含まれているから。
その代表的なミネラルがカリウムで、野菜やくだものにも多く含まれています。
こうした塩を使った味噌であれば、
極端な話、塩分の摂取量を気にすることはありません。
わざわざ味が薄めの減塩味噌等も選ぶ必要もなくなります。
一方、食塩はというと、
私たちが通常“塩や塩分”と呼んでいるミネラル成分=ナトリウムだけを抽出しており、他のミネラルはほぼゼロ。
自然海塩のように、自動で塩分濃度は調整してくれません。
また、
自然海塩のほうが『発酵を促進する力があり、味噌の栄養・味をより引き出す』といわれています。
ちなみに、
岩塩も天然塩ではありますが、ほとんどのミネラル成分は自然淘汰されており、食塩同様、ナトリウム濃度が高め。
塩分対策をするのであれば、やはり自然海塩を使用した味噌のほうが向いています。
残念ながら、食塩には自然海塩のようなメリットはないものの、工夫次第では十分塩分対策は可能。
例えば、味噌汁を作る際、カリウムを多く含んだ野菜を入れれば、それらが余計な塩分の排出をサポートしてくれます。
カリウムが多い代表的な野菜は、ほうれん草・かぼちゃ・大根・ひじき・わかめ・昆布等々、里芋といったイモ類にもカリウムは多く含まれています。
しかもカリウムは水に溶けやすい性質があるので、煮汁ごと食べれる味噌汁はまさに理想の調理法。
参考までに、味噌汁1杯の塩分量は、約1.2g。1日の上限塩分摂取量は、男性約8g・女性約7gとされています。
この比率からしても、味噌汁に関してはいえば、それほど減塩対策に神経質になる必要はなく、
むしろ、味噌汁1杯から得られる栄養効果のほうが、“塩害”よりもはるかに上回ります。
1日1杯といわず、2杯、3杯飲むぐらいがちょうど良いんです。
POINT2:ワンランク上を目指すなら“有機(オーガニック)栽培・国産特別栽培”の無添加みそ
価格は、普通の無添加味噌の約1.5倍から2倍と高めですが、
食への安全を重視したいなら、オーガニック無添加味噌がオススメ。
有機(オーガニック)栽培は、化学肥料・化学農薬とも3年以上使用していないことが最低原則で、
非常に高い安全性が保証されています。
審査は、国の登録認証機関が行い、パスすると『有機JASマーク』を包装材にプリントすることができます。
もちろん、
基準にパスせず“有機”や“オーガニック”と謳うことは法律で禁止されていますので、
有機味噌をお求めの際は、念のため有機JASマークを確認しましょう。
ちなみに、
海外産大豆を使用した有機無添加味噌もありますが、
産地に関わらず、日本の有機JAS基準をパスすれば、オーガニック商品として販売することが可能です。
海外産原料を敬遠する方もいらっしゃいますが、
認定を受けていれば、国産の有機食品同様、安全性には何の問題もございません。
そしてもう一つ、
安全性を重視したい方に人気なのが、国産特別栽培の無添加味噌。
特別栽培は、化学農薬・化学肥料を減らすことが目的の栽培法。
有機栽培のように無農薬ではないものの、
一般的な栽培法よりは、はるかに農薬量が少なく安全性も評価されています。
値段もオーガニック味噌よりお手頃ということもあり、あえて特別栽培の無添加味噌を選ぶ方もいらっしゃいます。
<おさらい> 本物の無添加みそを選ぼう!購入時にチェックすべき5つのポイント
- 無添加でも添加物が配合されている場合がある!特に発酵を止める酒粕(アルコール)に注意
- 加熱処理してある無添加味噌はNG!パッケージに生・非加熱処理といったキーワードがないならお買い物は止めよう
- できれば避けたい遺伝子組み換え大豆!原材料名でチェック
- [番外編] 塩分・減塩が気になるなら、自然海塩使用の無添加味噌がオススメ
- [番外編] 食への安全を重視したいならオーガニック・国産特別栽培の無添加味噌